発症から数日で命を落とすことも⁉犬猫の急性腎不全について

愛犬愛猫が突然元気をなくしてしまうのは、飼い主様にとってとても不安なことですよね。急性腎不全は元気の消失や食欲不振、嘔吐などが見られ、発症から数日で命を落としてしまうこともあるため早期発見・早期治療が最も重要です。

今回は、犬と猫に見られる急性腎不全の原因、症状、検査、治療法、予防策について詳しく解説していきます。

急性腎不全の原因
急性腎不全は犬と猫の腎臓が突如として機能を失う病気で、原因としては、腎前性、腎性、腎後性の3つに分けられます。

・腎前性腎不全
腎臓への血流減少が主な原因となります。これは、脱水、ショック、出血などにより血流が減少し、腎臓に十分な血液が届かなくなる状態です。これにより腎臓の機能が一時的に低下し、腎不全を引き起こします。

・腎性腎不全
腎臓自体の障害によるもので、感染症や腎臓組織の炎症、腫瘍、中毒などが原因となり、腎組織が破壊されることで腎機能が喪失します。

・腎後性腎不全
尿路結石、膀胱炎、尿路腫瘍などが原因で、尿が体外に排出されず腎臓に逆流することで腎臓に負担がかかり、機能が低下します。

急性腎不全が引き起こす症状
主な症状としては、食欲不振、嘔吐、下痢、極度の疲れ、脱水症状などがあります。腎臓は体内の老廃物を排出する役割を果たしているため、その機能が低下すると、体内に毒素が蓄積し、これらの症状が現れます。

また、症状が悪化すると急激な体重減少、全身のふるえ、昏睡状態や昏迷に陥ることもあります。腎臓の損傷は回復が難しく、時には命に関わる危険性もあるため、早期発見・早期治療が重要となります。

急性腎不全の診断
血液検査を行い、血液検査では、BUNやクレアチニン、カリウムやリンなどの数値に上昇が確認されます。これらの数値の上昇から、腎機能の低下が疑われます。

加えて尿検査では、尿タンパクの有無や尿比重、尿中の細胞や結晶の有無などが評価されます。

それから、腎不全が急性のものなのか慢性のものなのか、そして原因が何であるかを特定するために、エコー検査やレントゲン検査などの画像検査を実施します

急性腎不全の治療
急性腎不全の治療は、病状の進行具合や原因により異なりますが、初期の迅速な対応が非常に重要です。
最も一般的な治療法は、輸液療法で、これにより腎臓への血流が改善し、腎機能の回復が期待できます
また、原因に応じて薬物療法も行われ、炎症や感染症のコントロール、血圧の調整などが行われます。重症の場合は、透析が必要になることもあります

急性腎不全の予防
急性腎不全の予防は、日頃の生活習慣と定期的な健康診断が重要です。バランスの良い食事や適切な水分摂取をしましょう。そして、腎毒性のある食べ物(ブドウやレーズン)やユリ科の植物は、犬や猫が誤って口にすることがないように、十分に気をつけましょう

また、定期的な健康診断や尿検査、血液検査を通じて、腎機能の低下や他の問題を早期に発見し、適切な処置を行うことが大切です。

まとめ
急性腎不全は、犬や猫にとって非常に深刻な疾患ですが、予防や早期発見、治療によって、愛犬愛猫の命を救うことが可能です。飼い主様は、日頃のケアや定期的な健康健康診断、バランスの良い食事や水分摂取を心掛けましょう。

気になる症状が愛犬愛猫にみられたら、当院までお気軽にご相談ください。

栃木県宇都宮市にある『さかきばら動物病院』
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