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引きずり、片足だけかばう…犬の歩き方がおかしいときの原因×緊急度チェック

愛犬の歩き方がいつもと違うかも……
そんな違和感に気づき、「すぐ病院に行くべき?」「様子を見ても大丈夫?」と迷った経験のある飼い主様も多いかと思います。

さかきばら動物病院にも「足を引きずっている」「片足をかばっている」といった症状で来院されるケースが多くあります。
飼い主様のその「ちょっとした気づき」が、疾患の早期発見・早期治療につながることも少なくありません。

この記事では、犬の足の不調に気づいて対応できるように、足の引きずりやびっこを引く原因や緊急度の判断基準について、分かりやすく解説していきます。

■目次
1.まず確認したい緊急度|足のつき方の違いで判断
2.前足と後ろ足で異なる原因|犬種や年齢別のよくある症状
3.外傷の可能性をチェック!自宅での観察ポイント
4.病院での診断の流れ|“歩き方の違和感”が重要なヒント
5.治療と自宅ケアの方法
6.まとめ|違和感を見逃さず、早めの相談が安心につながる

まず確認したい緊急度|足のつき方の違いで判断

犬が正常な歩き方をせず、片脚または複数の脚に体重をかけられない状態を獣医学では「跛行(はこう)」と呼びます。
専門的な用語ではありますが、飼い主様が「足を引きずる」「かばって歩く」と表現される状態が、まさにこれに当たります。

また、少しかばう程度か、まったく脚をつけないかといった跛行の程度も違いは、緊急度を見極めるうえでの大切なポイントになります。

ここからは、どのような状態がより注意すべきサインなのか、症状ごとの緊急度を順に見ていきます。

【緊急度・高】すぐに動物病院へ

以下の症状が見られる場合は、できるだけ早く受診していただく必要があります。

🔶完全に足をつけない状態/片足をまったく地面につけず、3本足で歩いている
強い痛みや重度の損傷が疑われます。骨折、脱臼、前十字靭帯断裂、重度の捻挫などの可能性があるでしょう。

🔶急に歩けなくなった
さっきまで普通に歩いていたのに、突然歩けなくなったり、立ち上がれなくなったりした場合は要注意です。
特に高齢犬では、椎間板ヘルニアによる急性の神経症状の可能性があります。

🔶脚が変な方向を向いている
明らかに脚の角度がおかしい、不自然な方向に曲がっているという場合は、骨折や脱臼が強く疑われます。すぐに動物病院へ向かってください。

🔶出血がある、腫れが著しい
肉球や足に出血が見られる場合や、明らかな腫れがある場合も、早急な処置が必要です。
骨折によるものや、深い傷からの感染の疑いがあります。

【緊急度・中】早めの受診を推奨

時々足をかばう、散歩中に時折足を上げる、階段の上り下りで違和感が見られる程度であれば、すぐに命に関わることは少ないかもしれません。
しかし、愛犬にとっては少なからずストレスや痛みを伴っています。「少し様子を見よう」と考える前に、まずは早めに受診し、適切な治療につなげることが大切です。

🔶パテラ、関節の異常による症状
パテラ(膝蓋骨脱臼)は特に小型犬に多く見られる疾患で、膝のお皿(膝蓋骨)が正常な位置から外れてしまう状態です。
さかきばら動物病院へは、よくこの症状でお越しになる方が多くいらっしゃいます。

軽度のうちは「たまにケンケンする」程度ですが、放置すると悪化し、手術が必要になる場合もあります。
数日続く軽度の跛行や 「ちょっと歩き方が変かな」という程度でも、2〜3日続く場合は、捻挫や関節炎の可能性もあるため早めに診てもらうと安心です。

パテラについては、こちらをご覧ください

🔶変形性関節症による症状
他にも、朝起きたときだけ足を引きずる、起床時や休息後に足を引きずり、動いているうちに症状が軽くなる場合は、変形性関節症の可能性があります。特に中高齢犬に多く見られます。

【緊急度・低】経過観察も可、ただし注意深く見守りを

一瞬だけ足を上げた 散歩中に何かを踏んだり、小石が肉球に挟まるなどして、一瞬だけ足を上げることがあります。
すぐに普通に歩き出し、その後も異常が見られなければ、様子を見ていただいて構いません。
ただし、念のため肉球に傷や異物がないか、爪が折れていないかを確認してください。
小さな外傷が見つかった場合は、清潔に保ち、悪化しないか注意深く観察しましょう。

前足と後ろ足で異なる原因|犬種や年齢別のよくある症状

犬の足の引きずりや歩き方の違和感の原因は多岐にわたります。
左右どちらか一方の足をかばっている場合でも、「前足か後ろ足か」によって疑われる疾患・ケガは異なります。まずはよく見て、どの足に違和感があるのかを観察してみましょう。

<外傷による一時的な痛み(前足・後ろ足どちらにも起こる)>

小さなケガや異物の付着によって、急に足を引きずることがあります。肉球や爪にトラブルがあると、触られたくない様子を見せることもあります。後述の「自宅での観察ポイント」を参考にチェックしてみてください。

<後ろ足に多い疾患>

後ろ足の異常は、関節や靭帯などの構造的な問題が原因になっていることが多く、犬種や体の大きさによってもかかりやすい病気に違いがあります。
運動中などに突然足をつけなくなった場合は、靭帯損傷(前十字靭帯断裂など)が疑われます。

また、小型犬によく見られるのが「パテラ」です。
トイプードル、チワワ、ポメラニアンなどの犬種で発症しやすく、若い頃から症状が現れることも珍しくありません。関節の構造上、膝のお皿がずれやすい体質があるためです。

一方、大型犬に多いのが「股関節形成不全」や「股関節の炎症(関節炎)」です。
腰を振るような歩き方や、「うさぎ跳び」のような走り方をする場合は、股関節の異常が疑われます。

前十字靭帯断裂については、こちらをご覧ください

<前足に多い疾患>

前足に体重の多くがかかる犬にとって、肩関節や肘関節の異常も無視できません。

特に成長期の大型犬では「肘関節形成不全」が知られており、歩き始めたばかりの子犬でも違和感が出ることがあります。

転倒やジャンプ後から急に痛がる場合は、「肩のねんざ」や「骨折」の可能性もあるため、無理に歩かせず早めの受診を検討しましょう。

外傷の可能性をチェック!自宅での観察ポイント

足の引きずりや上げる原因として、外傷はとても多いケースです。
次のような点を順番に見てみてください。

肉球:傷、赤み、ひび割れ、熱感がないか
指の間:小石やゴミ、草の種などの異物が挟まっていないか
:折れや欠け、出血がないか
足裏の皮膚:炎症や汚れが広がっていないか
関節や足の腫れ:左右差がないか、腫れや熱感がないか

特に地面が熱くなる季節、砂利道や草むらを歩いた後は、丁寧にチェックできると良いですね。

<観察時の注意点>

痛みのある足を触るのは、犬にとって大きなストレスになります。強く押したり無理に触れたりせず、嫌がるようであれば中断しましょう。
また、患部の写真や歩いているときの動画を撮っておくと、診察時に獣医師が状況を把握しやすくなります。

病院での診断の流れ|“歩き方の違和感”が重要なヒント

来院時は、まず詳しい問診を行い、原因を特定していきます。
以下のような情報を共有いただくと、より適切な判断がスピーディーにできます。

・どの足を引きずっているか
・いつから症状があるか
・きっかけは何か
・外傷はあるか
・触ると痛がるか
・他の症状はないか(食欲不振、元気消失、発熱)

その後、実際に歩いている様子を観察し(歩様観察)、触診で痛みの部位や腫れの有無を確認します。

また、必要に応じて各種検査を行います。痛みの部位や疑われる疾患によって、次のような検査が選択されます。

・膝・股関節の異常、前十字靭帯など→関節の触診、関節鏡検査
・骨折、脱臼、パテラ、股関節形成不全(骨格的な異常)→レントゲン
・靭帯損傷や軟部組織の異常→エコー検査・CT・MRIなどの精密検査

さかきばら動物病院では整形外科疾患の診察経験が豊富で、足を引きずる症状の治療に数多く対応してきました。
そのなかで「もっと早く連れてきていただければ」と感じる場面も少なくありません。
少しでも違和感を覚えたら、悪化を防ぐためにも早めにご相談ください。

治療と自宅ケアの方法

足を引きずる原因が特定されたら、その内容に応じた治療が始まります。

一口に「足を引きずる」といっても、ねんざのような軽い炎症から、外科手術が必要な関節疾患まで幅広いため、適切な処置を行うことが大切です。

🔶軽度の炎症やねんざ
走り回ったり高いところから飛び降りたりした直後などに、一時的なねんざや軽い関節の炎症を起こすことがあります。
こうしたケースでは、安静を保ちつつ、消炎鎮痛薬による内科的な治療が行われます。症状が落ち着くまで、無理な運動は控えましょう

🔶パテラ
小型犬に多いパテラは、グレード(重症度)によって治療法が異なります。軽度であれば内服薬や生活環境の見直しでコントロールできますが、重度の場合は外科手術が検討されることもあります。

🔶前十字靭帯断裂
靭帯が切れてしまうと自然には元に戻らないため、多くのケースで手術治療が必要です。術後は一定期間の安静やリハビリを行い、再発を防ぎながら回復を目指していきます。

🔶股関節の疾患(形成不全・炎症など)
股関節の異常がある場合は、体重管理や運動制限を基本とし、症状に応じて薬による治療や外科的処置を行うこともあります。股関節形成不全などは、成長期の犬でも見つかるため、早期対応が重要です。

🔶外傷(爪折れ・肉球の裂傷など)
軽いケガであれば、傷の洗浄や消毒、包帯処置などで対応します。出血や腫れがある場合は、なるべく早めに動物病院で適切な処置を受けましょう。

<自宅ケアで大切なこと>

受診までの間や治療中の自宅ケアでは次の点を心がけてみてください。

🔶安静第一
動きすぎは症状を悪化させるため、ケージやサークルで安静に過ごさせましょう。特にジャンプや階段の昇降は避けてください。

🔶患部を冷やす(急性期のみ)
明らかに腫れや熱感がある場合は、保冷剤をタオルで包んで患部に当てると炎症をやわらげることがあります。ただし、直接氷を当てるのはNGです。

🔶無理にマッサージや歩行訓練をしない
痛みがある状態で無理に歩かせることや、マッサージをすることで状態が悪化することがあります。

🔶自己判断の投薬はNG
人間用の鎮痛剤を与えるのは非常に危険です。かえって中毒を起こすこともあるため、必ず獣医師の指示に従ってください。

通院後のケアについても、動物病院と相談しながら、治療を進めていきましょう。正しい対処が早期の回復につながります。

まとめ|違和感を見逃さず、早めの相談が安心につながる

歩き方の変化に気づけたことは、愛犬の体からのサインを見逃さなかったという、とても大切な一歩です。
足を引きずる原因は多岐にわたり、中には緊急性の高い疾患も含まれています。
「少し様子を見よう」と判断された場合も、症状が続く、悪化する、他の症状が現れるといった変化があれば、早めに受診してください。

早期に発見し適切な治療を行うことで、外科手術の必要性が減るケースもあり、愛犬の生活の質(QOL)も大きく改善できます。
愛犬がいつまでも元気に歩き続けられるよう、さかきばら動物病院が一緒にサポートさせていただければ幸いです。

 

栃木県宇都宮市にある『さかきばら動物病院』
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℡:03-4570-4868

整形外科・腫瘍科・泌尿器科に注力。
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宇都宮 さかきばら動物病院

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