犬の健康を守るためには、日々のケアがとても大切です。その中でも、「肛門嚢」のケアは見逃されがちですが、実はとても重要な役割を果たしています。
肛門嚢の破裂は、犬にとって非常に大きな痛みや不快感を引き起こし、飼い主様にとっても大きな心配の種となるでしょう。愛犬の健康を守るためにも、肛門嚢のケアをしっかり行うことが大切です。
今回は、肛門嚢の役割とその破裂に関する情報、またその予防法やケアについて詳しく解説します。

■目次
1.肛門嚢とは|肛門嚢の機能と重要性
2.肛門嚢破裂の原因
3.肛門嚢破裂の症状
4.診断方法
5.治療方法
6.治療後のケアや予防法
7.肛門嚢破裂の予防法
8.まとめ
肛門嚢とは|肛門嚢の機能と重要性
肛門嚢は、肛門の両側にある小さな袋のことを指し、肛門腺で作られた臭いの強い分泌物が溜まっていきます。
この分泌物は、犬同士のコミュニケーションや縄張りのマーキングに使われる重要な役割を果たしています。
通常、この分泌物は便をするときや興奮した際などに自然に排出されますが、何らかの理由でうまく排出されないと、肛門嚢が詰まり「肛門嚢炎」を引き起こすことがあります。
さらに、状態が悪化すると、皮膚が破れて溜まった分泌物や血、膿が出てしまう「肛門嚢破裂」になることもあります。
肛門嚢破裂の原因
肛門嚢が破裂する原因はさまざまですが、主に次のような要因が考えられます。
・肛門嚢の詰まり: 分泌物がうまく排出されずに腺が詰まると、炎症や感染を引き起こしやすくなります。
・感染や炎症:肛門嚢に細菌が感染すると、腺が腫れて膿が溜まり、最終的には破裂することがあります。
・その他の要因:体質や食事、肥満なども肛門嚢の健康に影響を与えます。特に、脂肪分の多い食事や運動不足が原因となることが多いです。
・特に注意が必要な犬種:小型犬や老犬、肥満気味の犬は、肛門嚢のトラブルを起こしやすいとされています。
肛門嚢破裂の症状
初期段階では、肛門周囲の皮膚が赤くなり、触れると熱を感じることがあり、犬が頻繁に肛門周りを舐めたり、地面にお尻をこすりつけたりする行動が見られることがあります。
肛門嚢が破裂すると、出血や腫れ、悪臭のする膿が出ることもあります。また、強い痛みを伴うため、排便や排尿時に痛がる様子や、歩くときに違和感を示す動きなども見られることがあります。
診断方法
肛門嚢破裂の診断は、視覚的な観察と触診で行います。
腫れや炎症の程度を確認し、感染の有無を調べるために、必要に応じて分泌物のサンプルを採取することもあります。
治療方法
肛門嚢破裂の治療は、症状の程度に応じていくつかの方法が取られます。
まず、炎症や感染を抑えるために抗生物質や消炎剤が処方されます。膿が溜まっている場合には、切開して排出する必要があります。
また、詰まった分泌物を手動で絞り出すことで、腺内の圧力を軽減する方法もあります。
治療後のケアや予防法
治療後は、いくつかの点に気をつけてケアを行うことが大切です。
まず、外科的な処置を受けた場合は、傷口を清潔に保ち、感染を防ぐために抗生物質を継続します。犬が自分で傷口を舐めてしまわないように、エリザベスカラーが必要になることがあります。
また、食事にも注意が必要です。低脂肪で食物繊維が豊富な食事を選ぶことで、便の通りをスムーズにし、体への負担を軽減できます。さらに、特に手術後の回復期間中は、過度な運動を控えるようにしましょう。
肛門嚢破裂の予防法
肛門嚢破裂を予防するためには、いくつかのポイントに注意することが重要です。
・定期的なチェックと絞り出し:定期的に肛門嚢をチェックし、必要に応じて分泌物を絞り出すことが効果的です。
・適切な食事管理:適切な食事管理を行い、肥満を避けることも大切です。
・適度な運動:健康的な体重を維持するために、適度な運動を心がけることが推奨されます。
なお、一度肛門嚢破裂を経験した犬は再発のリスクが高いため、定期的な診察や肛門嚢の絞り出しを行うことで、そのリスクを低減することができます。
まとめ
犬の健康を守るためには、肛門嚢のケアがとても大切です。肛門嚢破裂を予防し、早めに気づくためには、日々の観察が欠かせません。
動物病院では、トリミングや診察の際に肛門嚢のチェックも行っていますので、定期的に受診することをおすすめします。
栃木県宇都宮市にある『さかきばら動物病院』
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