「目が白っぽく見える」「充血して赤い」「片目だけ赤い」「黒目が白く濁って見える」など、犬や猫の目の変化に気づくと心配になりますよね。
ただ、同じ“白い”“赤い”でも、白目なのか黒目なのか、表面なのか奥なのかによって、考えられる原因は大きく変わります。
軽い刺激で起こることもありますが、視力に関わる病気が隠れていることもあります。
この記事では、色の変化が起きている「場所」ごとの原因と、受診すべきサインを分かりやすく解説します。

■目次
1.目が白いときに考えられること|白く見える場所で原因は異なる
2.目が赤いときに考えられること|充血の出方で緊急度が変わる
3.動物病院では何を調べる?|見た目だけで決めつけず原因を検査で特定
4.目の色の変化は、視力を守るための大切なサイン
目が白いときに考えられること|白く見える場所で原因は異なる
まず知っておきたいのは、「目が白い」といっても見えている場所が同じとは限らず、緊急度が変わる点です。
<黒目の奥が白く見える:白内障・核硬化症>
✓ 黒目の“奥のほう”に白いもやがかかったように見える
✓ 光の当たり方によっては、目の中に白い膜がふわっとあるように見えたり、白い芯が入っているように見えたりする
✓ 表面はつるっとして見えるのに、内側だけが白っぽく見える
この場合、白内障や核硬化症が考えられます。
白内障は水晶体が白く濁る病気で、進行すると見えにくさにつながります。
一方、核硬化症は年齢とともに起こる変化で、見た目が似ていても白内障とは異なります。
これらは区別がつきにくいため、「年齢のせいかも」と自己判断しないほうが安心です。
また、このような目の白さは加齢だけで起こるとは限らず、外傷、眼の中の炎症、犬の糖尿病などが関係するケースもあります。
<黒目の表面が白っぽく曇る:角膜炎・角膜潰瘍・角膜浮腫>
✓ 瞳の表面に白いベールがかかったように見える
✓ つやつやの透明感がなくなって、表面が曇って見える
✓ すりガラスのようにぼんやり見える
このような見え方は角膜炎や角膜潰瘍、角膜浮腫などが疑われます。
角膜炎は、黒目の表面に炎症が起きた状態で、白くかすんで見えたり、赤みやしょぼつきが出たりすることがあります。
角膜潰瘍は、黒目の表面に傷ができた状態です。まぶしそうにする、目を細める、涙が増えるといった変化がみられ、傷が深くなると強い痛みや視力への影響につながることもあります。
角膜浮腫では、角膜の中に水分がたまることで、黒目が白っぽく、あるいは青白く曇って見える状態です。
<目全体が青白い、白くかすんで見える:緑内障>
✓ 黒目の一部分だけでなく、目全体がどんより青白く、白くかすんで見える
✓ 澄んで透明だった目が、どんよりして見える
✓ 全体にうっすら青白い膜がかかったように見える
このように見える場合には、眼圧が高くなる緑内障が考えられます。
緑内障は高くなった眼圧が視神経を圧迫し、視覚障害を引き起こす病気です。
目が赤いときに考えられること|充血の出方で緊急度が変わる
目が赤いときも、「どこが、どのように赤いか」を見ることが大切です。
<白目の部分が赤い:結膜炎・軽い刺激・アレルギー・異物など>
✓ 白目の表面を走る細い血管が、いつもよりくっきり赤く浮いて見える
✓ 白いはずの部分がピンクっぽく見える
✓ 白目全体がうっすら赤みを帯びて見える
✓ 部分的に赤い、または白目が全体にほんのり充血してうるんで見える
このような見え方では、結膜炎や軽い刺激、アレルギー、異物の影響などが考えられます。
比較的よく見られる変化ですが、目やにや涙が増えている、赤みが何日も続く、何度もくり返すような場合は受診を推奨します。
また、結膜炎は猫にみられる代表的な眼科トラブルのひとつです。
<黒目の周りまで赤い:角膜炎・角膜潰瘍など>
✓ 白目の充血というより、黒目のすぐきわに赤みが集まって見える
✓ 黒目をぐるっと囲むように赤い、にじむように赤い
✓ 目の中心に近いところが濃く赤い
目の見え方にくわえ、「しょぼしょぼする」「目を細める」「片目をつぶりがちになる」「まぶしそうにする」「涙が増える」「痛みのため、目を開けていられず、ぎゅっと閉じる」といった変化も見られます。
これらは角膜炎や角膜潰瘍など、より注意が必要な病気のサインである場合があります。角膜の病気では、黒目が白っぽく曇って見えることもあれば、このように黒目の周りに赤みが強く出ることもあります。
目の表面のトラブルは見た目以上に痛みが強く、こすると悪化しやすいため、早めに対処しましょう。
<目の中が赤い・奥が赤く見える:ぶどう膜炎・高血圧による異常など>
✓ 目の奥のほうが赤黒く見える
✓ 透明感のあるはずの部分の向こうに赤い影が見える
✓ 赤いだけでなく、白っぽくかすんだり濁ったりして見える
また、なんとなく目がどんよりしている、左右で見え方が違う、物にぶつかる、見えにくそうにするといった変化を伴う場合もあります。
この背景には、ぶどう膜炎や高血圧による異常が潜んでいることも少なくありません。
ぶどう膜炎は犬猫で重要な眼科疾患で、充血や痛み、混濁、視力低下などを伴います。
犬や猫では高血圧があると、眼の奥の血管や網膜に影響が出て、出血や網膜剥離を引き起こすリスクがあります。そのため、「目が赤い」だけでなく「急に見えにくそう」「目の奥の様子がいつもと違う」と感じたときは、目だけでなく全身の病気も含めて確認が必要です。
目の中や奥に生じる異常は、視力に直結するものが多いため、「少し赤いだけ」と軽く考えないようにしましょう。
<まぶたや目の周囲の皮膚が赤い:眼瞼炎・皮膚炎・外傷など>
✓ 眼球そのものではなく目を囲む皮膚やまぶたのふちが赤い、ただれて見える
✓ 目の周りの皮膚がこすれて赤くなっている
✓ かさついた赤みがある
✓ 線状に赤い傷(ひっかき傷)がある、少し腫れている、じゅくっとして見える
このような場合には、眼瞼炎や皮膚炎、ひっかき傷などの外傷が関係していることもあります。
赤みは見える場所によって意味が変わるため、赤い部分が眼球そのものなのか、周囲なのかを見ておくと、診察時の助けになります。
動物病院では何を調べる?|見た目だけで決めつけず原因を検査で特定
目が白い、赤いといっても、原因はひとつではありません。
そのため動物病院では、見た目の印象だけで判断せず、これまでの経過やほかの症状も含めて丁寧に確認していきます。
診察では、ご自宅で気づかれた経過や症状を伺いながら、原因を絞り込みます。
そのうえで、必要に応じて次のような検査を行い、どこに異常があるのか診断を確定させます。
・涙の量を調べる検査(涙液量検査)
・角膜に傷がないかを確認する検査(フルオレセイン染色検査)
・眼圧を調べる検査(眼圧測定)
・眼の奥の状態を確認する検査(眼底検査)
眼の病気は、見た目が似ていても原因が異なることが少なくありません。
たとえば、白く見える変化でも角膜の異常なのか、水晶体の変化なのか、眼圧の上昇が関係しているのかで、必要な対応は変わってきます。だからこそ、状態に合わせて検査を組み合わせながら、原因をひとつずつ整理していくことが大切です。
また、目だけを見るのではなく目以外の疾患も隠れていないかも確認します。
さらに、全身疾患が疑われる場合は、血液検査や血圧測定も行います。
当院では、それぞれの検査がなぜ必要なのか、何を確認するために行うのかをできるだけわかりやすくご説明しながら進めています。費用面も含めて気になることがあれば、遠慮なくお声がけください。
目の色の変化は、視力を守るための大切なサイン
目が「赤い」「白い」という変化は、体からのサインです。見た目がよく似ていても、経過観察できる変化と急いで対応したい病気が潜んでいるかもしれません。
自己判断で人用の目薬を使ったり、市販薬で様子を見たりすることは控えてください。症状が分かりにくくなるだけでなく、病気によっては悪化につながる恐れもあります。
目の違和感や見えづらさは愛犬・愛猫のQOL(生活の質)にも大きく関わります。
早めの行動が、目の健康を守ることにつながります。気になる変化があったら、当院にご相談ください。
栃木県宇都宮市にある『さかきばら動物病院』
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