猫の糖尿病について|日頃の食生活が大切

糖尿病はインスリンというホルモンが働かなくなり、血中から細胞内にブドウ糖が取り込まれず、高血糖になる病気です。インスリンが出なくなる1型と、出ているが効きが悪くなる2型があり、猫の場合は多くが2型です。

今回は猫の糖尿病について、どんな症状が出るのか、どのような治療法があるのかを詳しく解説していきます。

糖尿病の原因

遺伝や加齢による発症もありますが、ほとんどは不適切な食生活や運動不足による肥満が原因です。

また、膵炎などに続発して発症することもあります。

糖尿病の症状

猫の糖尿病では以下のような症状がみられます。

多飲多尿
食べているのに痩せてくる
毛づやが悪くなる

重症化した場合は糖尿病性ケトアシドーシスと呼ばれる状態になり、食欲不振や末梢神経障害、昏睡を引き起こします
また尿中の豊富な糖が細菌の餌となり、膀胱炎を併発することもあります。

糖尿病の診断方法

血液検査にて血糖値、尿検査にて尿糖やケトンの有無を評価することで診断します

猫は病院での緊張や興奮により容易に血糖値が上昇するため、必ずしも「高血糖=糖尿病」とは限りません
採血時ではなく過去の血糖値を知りたい場合は、血中の糖化アルブミンやフルクトサミンという値を評価することで、過去2〜3週間の平均血糖値が分かります。

糖尿病の治療方法

食事管理と、インスリン投与により治療します。

食事
糖尿病専用の処方食(低炭水化物・高繊維食)を与えます
しかし、猫の好みによって合う合わないがあるので、主治医とよく相談して選びましょう。

インスリン
インスリンは少ないと効かず、逆に多いと低血糖を起こす薬です。
そのため治療初期は、入院をして血糖コントロールを行い、最適なインスリン量を決定します
血糖値を100〜300mg/dlに維持できる量が決まれば、退院し自宅でのインスリン注射で管理します。
インスリン注射は飼い主様が毎日行うため、動物病院での練習が必要です。その後も定期的に通院し、血糖値を確認していく必要があります

予防法と飼い主様が気を付けるべき点

猫の糖尿病の多くは肥満が原因のため、日頃から体重や食生活に注意し、発症を予防しましょう
猫はもともと肉食のため、炭水化物をエネルギー化しにくい動物です。そのため、低炭水化物・高たんぱく質の食事を心がけましょう。

また定期的な健康診断で、血糖値・尿糖の値を確認しておくと安心です。多飲多尿や体重減少などの症状がみられたら早めに動物病院を受診してください。

まとめ

糖尿病は自宅でのインスリン注射や食事管理といった負担が飼い主様にも猫にもかかり、QOL(生活の質)を著しく下げる原因となります。
かわいくおねだりをされると、おやつなどをあげたくなってしまいますが、お互いの幸せのために食生活はしっかり管理して健康に過ごしましょう。

本記事で解説したような症状が愛猫にみられたら、当院までお気軽にご相談ください。
特に宇都宮市のなかでも「若草、宝木、細谷、駒生」にお住まいの患者様から多くご来院いただいております。

栃木県宇都宮市にある『さかきばら動物病院』
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℡:03-4570-4868