犬のフィラリア症について知ろう ②感染時期と予防期間

犬の飼い主様にとってやるべき予防に必ず入るフィラリア予防。フィラリア症は、フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が蚊の吸血によって犬の血液中に入ると、犬の体内を移動しながら成虫へと成長し、肺の血管(肺動脈)や心臓(右心房や三尖弁)に寄生して、血流に影響を及ぼす病気です。治療はどれもリスクを伴うため予防が非常に大切ですが、この予防を考えるにあたって、フィラリアの生活環(ライフサイクル)を理解しておくことが重要となります。

そこで今回は、フィラリアの生活環と犬への感染時期、予防期間について解説していきます。
フィラリア症についてこちらでも詳しく解説しています。

フィラリアの生活環

蚊が活動する時期、つまり暖かく湿度が高い季節にフィラリアの感染リスクが最も高まります。多くの地域では、春の終わりから秋にかけての期間がフィラリア感染の主な時期です。しかし、気候変動や地域による気候の違いにより、蚊の活動期間が長くなることもあります。

・ミクロフィラリア
感染犬の体内にいるフィラリアの成虫は、ミクロフィラリアというフィラリアの赤ちゃんを産みます。このミクロフィラリアは全身の血管内にいて、蚊がこの感染犬から吸血する際にミクロフィラリアを取り込みます。ミクロフィラリアは、一定の温度条件の下(15℃以上)2〜3週間ほどで感染力を持つ第3期幼虫(L3)に成長します。

・体内で待機
犬の体に入ったL3は皮下組織内で発育し、2週間ほどで脱皮して第4期幼虫(L4)になります。その後、L4は筋肉内に移動し、感染から2ヶ月ほどで体長約2cmの第5期幼虫(L5)に成長します。
駆虫されない限りは7割以上が生存してL5になるとされており、L5は血管内に出て、成長しながら肺動脈に移動します。
そこで成虫になったフィラリアは、交尾をしてミクロフィラリアを産出します。

成虫がミクロフィラリアを産んでいる状態の犬は、フィラリアの感染源として、蚊を介してほかの犬にフィラリアを移します。
一般的に、感染から成虫になるまでの期間は6〜7ヶ月ほどで、成虫の寿命は5〜6年ほどあります。また、成虫は生きている間、毎日2,000〜3,000匹のミクロフィラリアを産み、その数を増やし続けます

予防期間

フィラリアの感染経路は蚊の吸血による犬から犬への水平感染で、感染時期は蚊の発生時期です。しかし、地域によって蚊の出現する時期に差があるため、フィラリア予防期間が変わってきます。

予防薬は一般的に、蚊が発生し始めて1カ月後から、蚊がいなくなった1カ月後まで、毎月1回投与し続ける必要があります。また予防薬には、錠剤、チュアブル、スポットオン、注射製剤といった様々なタイプがありますが、それぞれに長所と短所があるため、獣医師までお気軽にお尋ねください。

まとめ

フィラリア症は感染してしまうと命にも関わる非常に危険な病気ですが、適切に予防薬を投与することで確実に防げる病気です。フィラリアの感染時期や予防期間を把握し、確実に発症を防ぎましょう。

栃木県宇都宮市にある『さかきばら動物病院』
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